今朝も早くからハマナスの花を摘みに行きました。
一週間前には、花があまり咲いていませんでしたが、先週末からはかなりの量の花が咲き出していますので、花の蒸留も二日に一回くらいしています。
北海道では、この時期から7月初旬までの約一ヶ月、ハマナスが最盛期となります。
今日は、蒸留してできたハマナスの香り成分を分析していますので、その方法を簡単にご紹介したいと思います。
ハマナスの香りをヘキサンに移したもの
まず香り成分を分析する前に、料理のように下ごしらえをしなければなりませんので、はじめにハマナスの香りを有機溶媒であるヘキサンに移します。
この理由は、ハマナス細胞水をそのまま分析機器に入れてしまうと色々と不都合がありますので、まず初めにヘキサンへ香りを移してから、香りの分析をします。
下ごしらえの準備ができたら、ハマナスの香りを下記の分析用の小瓶に入れ替えます。
分析前のハマナス生体水
今年初めての分析ですので、今回のハマナスはどんな香り成分が入っているのか、楽しみです。
ハマナスの香り成分のチャートが出てきました。
このグラフは横軸が時間で縦軸が濃度を表しています。下記は16~39分のグラフで、この中で一番大きなピーク(山)が19分近くで、二番目が17分、そして三番目が18分です。
綺麗にピークが分離されていて、今回はとても上手くいきました。
ハマナス香り成分のチャート
初めの成分がシトロネロール、次にゲラニオール、その次がベンジルアルコールと続きます。
そして、フェニルエチルアルコール、メチルオイゲノール、オイゲノールなどが入っております。
バラの香りでも、柚子の香りでも、自然の香りは、数百の成分がそれぞれ集まり、一つの香りを作っています。
これら成分の違いや比率の違いで、ダマスクローズの香りになたり、ハマナスの香りに変化していきます。
この香りの中に何の成分がどのくらい入っているかを知ることで、色々な効果や薬効を予測したり、知ることができます。
このバラの生体水を飲んで、女性ホルモンバランスが正常になられた方が多いので、これはネロールやシトロネロールや、ゲラニオールなどの効果と思われます。これらの成分は神経を鎮めるリラックス効果があるとも言われています。
また、化粧水や美容液として使用すると肌が柔らかくなったり、美白効果もありますので、自然の力はとても面白いです。
ハマナス花を乾燥したもの
これは減圧蒸留後のハマナス花の乾燥したものです。無酸素状態で乾燥させますので、花の色がそのまま残ります。今回は乾燥も良く綺麗にできました。これらは、この後アルコールで抽出してリキュールや化粧品の原料にします。
ハマナス細胞水
つづく
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