スペイン風邪
1918〜1920年にかけて世界各国で多くの死者をだしたインフルエンザで、その死者数は1700〜5000万人とされています。当時の人口は、18〜20億くらいでしたので、全人口の約2〜4%の方々が亡くなったことになります。
1920年頃の日本では、人口5500万人、その内の約半数である2380万人が感染し、38万人の方が亡くなったとされています。
詳しくはコロナ①に書いておりますので興味のある方は読まれてください。
当時の優秀な漢方医である木村博明先生、森道白先生は、スペイン風邪の病態を①高熱型、②脳症型、③肺炎型、④胃腸型などのいくつかの病体に分けて、漢方薬での治療を施し、多くの人命を救い、尽力されました。
① 高熱型
高熱を出す者には、柴葛解肌湯、大青竜湯
② 脳症型
味覚・嗅覚障害、譫妄などには、
升麻葛根湯加白芷川芎細辛
③ 肺炎型
肺炎には、小青龍湯加杏仁石膏
④ 胃腸型
下痢などの胃腸障害には、香蘇散加茯苓白朮半夏
漢方薬の読み方は、難しいですね。
例えば、小青龍湯加杏仁石膏とは、小青龍湯(しょうせいりゅうとう)に、更に、杏仁(きょうにん)石膏(せっこう)を加えたという意味になります。
現代では、当時のスペイン風邪の経験から、さまざまなことを学んでいますので、風邪を引いてからの対処法というよりは、次回は、風邪を予防するための漢方薬の使い方について詳しく書いてみたいと思います。
つづく
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