●北海道産 ラベンダー GC/MSデータ
リナロール 19.5%
リナロールアセテート 61.7%
ラバンデュオール 1.9%
テルピネン-4-オール 1.0%
β-ファメセン 1.3%
カリオフィレン 8.1%
ゲルマクレン 1.1%
シトロネロール 0.8%
前回は、リナロールやリナロールアセテートなどの香り成分を同じ比率でまぜたなら、ラベンダーの香りになりますか。というところで終わりました。
これは、同じ香りにはなりません。比率を同じにして混ぜても、似ても似つかない香りの場合もあります。今回は、この理由について書いていきたいと思います。
ラベンダーやローズの香りは、一つの成分で出来ているのではなく、数百の成分が集まり一つの香りを構成しています。
ここ20〜30年の間で、香りを分析する技術が飛躍的に進歩し、pptレベルの微少成分までを解析できるようになりましたが、いまだ知られていない未知成分が多く残っています。
そして、何の成分かが分かっても、その立体構造などの詳しいことがまだ分かっていません。
組成式や分子量が同じでも、立体構造が違うだけで香りが全く異なることがあります。これを異性体と呼びます。これについては、次回、詳しく説明したします。
これまでにも、世界中の会社で、ローズやジャスミンの香りを再現していますが、未だ成功に至っていません。
この理由としては、①「再現したい香りの全成分が分かっていないこと」、② 「成分が分かっても、その立体構造などの詳細が分かっていないこと」、そして③「その混ぜ合わせ方」があげられます。
①と②は既知の事実ですが、③は推測で言っていることですので、話半分に聞いてください。
料理をするときに、材料を入れる順番や火の入れ方で料理の味が変わります。これは同じ材料を使っても、料理をする人によっては、料理の味が変わるということです。
香りを作る場合でも、入れる順番や混ぜ方で、香りが変わります。これは経験的なものですので、きちんとしたデーターはありませんが、香りと料理は似ています。
現在、ローズの香り成分は、約540種類ほどが知られています。これでローズの香りを構成している主要な成分のほぼ全てが解析されたと言われています。
しかし、これらを混ぜ合わせてもローズの香りを再現できないということは、他に何かの理由があるはずです。
まだ、発見されていない、未知の微少成分があるのかも知れませんし、同じものだと思って混ぜた成分が、実は違う成分なのかもしれません。
そして、微少だからといって、香りが弱いとは限りらず、もしかしたら、その成分が主となるローズの香りかも知れません。
今回は、香りの再現について書かせていただきましたが、次回は、香りの中でも特に大切な立体構造 (異性体) にいつての、話しをさせていただきます。
ここからは、少しややこしい話しになりますが、とても面白い内容ですので、なるべく分かりやすく説明したいと思います。ありがとうございました。
つづく
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