今日の札幌は最高気温が−7℃と冷え込んでいます。このくらい気温が下がりますと、路面はツルツルで車の窓も凍り開きません。今夜から暴風雪になるようですので、明日の朝は、また渋滞となると思います。
さて、前回は天然香料や合成香料について話しました。今回は、この香りが、どのようなもので、どんな性質を持つかということから話していきたいと思います。
青柚子精油
香りの性質について、ネットで調べてみると、揮発性があり、脂溶性であると書いてあります。これは、天然香料、合成香料に関わらず同じで、香りは気体に成りやすく、油の性質を持つということです。
香りは活性が高く、空気中では見ることができません。植物は、この性質を利用して昆虫を呼んだり、病原菌から身を守ったりと、香りを情報伝達物質として利用しています。
香りは、水に溶けずらく、油に溶けやすい性質がありますので、皮膚に塗れば、直ぐに浸透し、血中に溶け込み、全身を巡ります。
肺や粘膜からも素早く吸収されるため、薬として使用すれば効果が早く、毒として使用すれば化学兵器となります。
普通、香水は、手首や首筋、脇の下、膝裏、足首などの皮膚の柔らかい、脈打つ場所に塗ります。
何故?昔から、香水を手首や首筋などの部位へ塗ってきたのかが疑問で、本やネットで色々と調べたことがあります。
香水を塗布する部位は体温が高く、香りが広がりやすいためというような説明が書いてありましたが、ここへ香水を塗る理由は、それだけではない気がしていました。
昔の人たちは、手首や首筋に、香りを塗ることで、血流や自律神経、ホルモン、免疫などをコントロールしていたのではと?
経皮吸収の良い場所へ、活性の高い、脂溶性の高い香り成分を付けることで、効率よく、心身の調整をしていのではないかと思いました。
現代でも、皮膚から薬物を吸収させるためにTTSというシステムがあります。これは、皮膚の柔らかい (成分が浸透しやすい) 場所に、薬物の染み込んだ湿布を貼ることで、有効成分を皮膚から体内へ浸透させるものです。
TTS : 経皮吸収製剤
この薬には、狭心症薬のニトログリセリンや麻薬鎮痛剤のフェンタニル、喘息治療薬のツロブテロール、ホルモン剤治療薬のエストラジオールなどがあります。
古代の人たちは、香りを皮膚から吸収させることで、これと同じ事をしていたのではないかと考えられます。この名残が、現代の香水の使い方に残っているのではないかと思っています。
上が精油で下が細胞水
今年から、この辺りの臨床試験を鈴鹿医療科技大の先生と一緒に始めていきますので、面白い結果がでましたら、また報告させていただきます。
さて、こからが本題となります。以下の成分データーから、これが何の精油か分かりますか。
リナロールとリナロールアセテートの二成分で、全体の8割を超えます。
GC/MS定性分析データ
リナロール 19.5%
リナロールアセテート 61.7%
ラバンデュオール 1.9%
テルピネン-4-オール 1.0%
β-ファメセン 1.3%
カリオフィレン 8.1%
ゲルマクレン 1.1%
シトロネロール 0.8%
北海道産ラベンダー
答えは、ラベンダーです。
では、これらと同一の成分を合成香料から作り、同じ配合で混ぜたならどうなるでしょうか。ラベンダーの香りになりますか。
次回は、これについて書いていきたいと思います。ありがとうございました。
つづく
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