クソニンジン Artemisia annua L.

クソニンジンという名前を聞いたことがありますか。この薬草はマラリアの特効薬として良く知られたものです。昨日から北海道の最西端にある積丹半島まで、この薬草を取りに行ってきました。

昨年、中国の方がこのクソニンジンからアルテミシニンという成分を抽出して、ノーベル医学・生理学賞を受賞しました。また、この植物は抗マラリア作用だけでなく、優れた抗がん作用もありますので、今回はこの薬草について少し書いていきたいと思います。

『積丹半島 クソニンジン』


このクソニンジンは漢方として使用される薬草です。生薬名を青蒿(セイコウ)と呼ばれ、学名がArtemisia annua L.といわれます。このArtemisiaとはヨモギを表し、キク科のヨモギ属で、英名はスイート ワームウッドSweet Wormwood、和名はクソニンジンと呼ばれます。

『アルテミシン』


このクソニンジンの有効成分であるアルテミシニン(artemisinin)には、強力な解熱作用があるためマラリアの特効薬として古くから利用されてきましたが、近年、このアルテミシニンに抗がん作用があることが分かり、副作用の少ない抗がん剤として、今注目を集めています。

  『 クソニンジン根』


数年前から、この薬草をずっと探してきましたが、なかなか見つからずにいました。文献では北海道にも自生しているとの事でしたので、野原や山へ行く度に、この薬草を探していました。

実物を見たことがなかったので、写真だけで本物を見つけるのは結構大変で、長い間、探せないでいました。

昨年の夏に、フランスの研究所から、これを探して欲しいとの依頼を受けましたので、真剣に探しはじめました。しかし、こういうものは、探せば探すほど、見つからないもので、ほとほと困っていました。 笑

昨年のある夏の暑い日に、積丹半島に行った際に、偶然にもこの植物を見つけました。見つけたと言うより、あちらから声をかけてもらったという方が近いでしょうか。

見た瞬間に ''あっ''見つけたと思い、直ぐに葉を千切り香りを嗅ぐと、”これだと'' 確信にかわりました。薬になる植物は、見た瞬間、嗅いだ瞬間に、これだと分かります。

実はその場所は、度々遊びに行く所で、とても気に入っている場所の一つでもあります。よく行く所でしたので、まさかここに、探しているものがあるとは思いもよらなかったです。

あの時の感覚は何とも言えない不思議な感じで、こちらは全く意識も、探しもていなくて、その薬草の事すら忘れている状態でしたが、それを見た瞬間に『これ』だと分かるのです。

表現の仕方は難しいですが、『目が合う』という感じでしょうか。あちらから『ここだよ』教えてくれたような感覚です。

『エゾ山葵』


昨日は、札幌から積丹まで2時間ほど車を走らせ、この株とエゾ山葵を少しいただいて、札幌の畑に移植しました。上手く根付くと良いです。楽しみです。

つづく

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