クソニンジン Artemisia annua L.最終回

前回は、ヨモギ属のクソニンジンについての話しでした。それにしても、クソニンジンという名前はインパクトがあります。

今回のブログでもクソニンジン、クソニンジンと書くたびに、何とかならないものだろうかと思いながら文章を書いていました。抗マラリア作用や抗癌作用を持つ有用な植物にもかかわらず、この名前は凄いです。

『畑に移植した、Artemisia annua』


この語源を調べてみたところ、新芽がニンジンの葉に似ているため『ニンジン』の名がついたようです。そして、葉の香りが、今までないような強烈なものでしたので、『クソニンジン』となったようです。

積丹半島の山中で、初めてこの香りを嗅いだ時の印象は鮮烈でした。嗅いだ瞬間にヨモギのような、樹木のような香りで、今までに嗅いだことない香りでした。

さて、前回はアルテミニシンの効果、効能について書きましたので、今回はヨモギの使い方について話していきたいと思います。

クソニンジンが身近にある人は、それを取ってくれば良いですが、このヨモギが生えている場所を知っている方は、あまりいないと思います。

また、クソニンジンを取ってきても、香りが独特で料理などに使うのは、なかなか難しいと思いますので、普段は通常のヨモギを使われると良いです。

ヨモギを取り入れるのに、一番簡単で有効な方法が青汁です。取ってきた新鮮なヨモギを綺麗に洗い、すり鉢で青汁にするだけです。これですと、加熱によるアルテミニシンの分解も防げますし、鉄分の補給も同時にできます。

こんな感じです。コツは差し水を少し入れると良いです。これを絞り茶漉しで漉せば出来上がりです。初めての方は、ハチミツやレモン汁をいれると飲み易いです。貧血や胃酸過多の方にも良く効きますので試してみて下さい。 

*ヨモギアレルギーがある方もいますので、気をつけて下さい。

『ヨモギ青汁』

5日ほど前に、アメリカからアルテミニシンのサプリメントが届きましたので、早速、飲んでみました。白い粉末で1カプセルにアルテミニシンが100mg 含まれます。カプセルを開けて粉末を舐めて見ましたが、かなり苦いです。苦味が口に残りなかなか取れません。下の写真が、このアルテミニシンのカプセルです。

アルテミニシンの単体を嗅いだり、舐めたりしたことがないので、これが本物のアルテミニシンなのか判別がつきません。ただ、香りが無くかなりの苦味がありました。アルテミニシンはヨモギの精油成分の一部ですので、もう少し香りがあっても良さそうです。


抗腫瘍作用を期待する際のアルテミシニンの必要量は体重1kgに対して1〜4mg/日とされますので、体重60kgの成人に換算すると60〜240mg/日となります。


また、抗腫瘍作用を期待する場合には、アルテミシニンを服用する4時間ほど前に、鉄とビタミンCを服用し、癌細胞中の鉄濃度を高めてからアルテミシニンを服用すると更に効果があるとされます。


このサプリメントを飲み始めて、今日で2-3日となりますが、身体が怠い感じがしますので、このサプリメントは身体に合わないようです。やはり、青汁が良いです。


このヨモギは、日本中どこでもある薬草ですので、色々な場面で利用されるとよいです。沖縄では、フーチバーの名で親しまれ、炊き込みご飯や沖縄そばにヨモギが使われています。市場でも束で売られています。


会社でも、畑のヨモギの新芽を摘み、おひたしや胡麻和え、ニンジン・リンゴのジュースに混ぜて飲んでいます。ヨモギは鉄分を多く含む野草ですので、ヨモギ青汁を取ると鉄とアルテミシニンの両方が同時に取れますので効果的です。


サプリメントも良いですが、新鮮な野草や薬草を日常生活に取り入れていくことが一番大切だと思います。是非、試してみて下さい。

積丹でとれたクソニンジンの細胞水を取ってみました。香りは、そのものの香りです。この方法なら蒸留温度も35℃ですので、アルテミニシンも分解しないと思います。

試薬メーカーで、アルテミニシンの標準品がありましたので、細胞水と乾燥末中にアルテミニシンがどのくらいの濃度で含まれているのかを調べてみたいと思います。これが分かれば、クソニンジン使用の幅が広がります。

長い間、お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

クソニンジン

名称 : 黄花蒿(オウカコウ)

ラテン名 : Artemisia annua L.

科名 : キク科 ヨモギ属

英名 : Sweet wormwood

生薬名: 青蒿(セイコウ)

有効成分 : アルテミシニン

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