今週月曜日の朝早くに島根県、隠岐からクロモジ葉が10kgほど届きました。ダンボール箱を開けると、樹木のような、花のような、何とも言えない不思議な香りがしました。
このクロモジは、樹皮にできる黒い斑点が文字にも見えたことから、黒文字(クロモジ)と名付けられたようです。
烏樟というクロモジの幹と枝から取れる生薬は、鎮静作用や去痰・鎮咳の作用があると言われています。
このオイルは爽やかなユーカリ様の香りとフローラルな香りが混ざった不思議な香りですので、早速、減圧蒸留をしてみました。
クロモジ 黒文字
クスノキ科
Lindera umbellata
落葉 低木
本州、四国、九州、北海道に自生し、高級楊枝の材料になる。
今回は葉と小枝だけの蒸留でしたが、葉は柔らかく弾力があり、蒸留は比較的簡単にできます。
蒸留の際に香る芳香は透きとおった香りが感じました。
10kgのクロモジ葉から約15ccの精油が取れましたので、早速GC/MSで分析してみました。下記がクロモジ精油のチャートです。
一般にクロモジ葉に含まれる精油の主成分は、1,8-cineolとlinaloolがそれぞれ約30%、その他成分がα-pinene、limonene、γ-terpineneとされますが、この隠岐のクロモジ葉に含まれる精油の主成分はジヒドロカルボンとl-カルボンで約60%ほど入っていました。ジヒドロカルボンは1番大きなピークです。
(-)-Dihydrocarvone
l-Carvone
その他にティートリーオイルと同じ成分である、テルピネン4-オールや1,8-シネオールなども入っていましたので、感染症などにも効くように思われます。
このクロモジは5月30日 (満月前) に採取したものです。来週にまた、同じ隠岐からクロモジ葉が届きますので、満月前と後での精油の変化を見てみたいと思います。
つづく
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