エゾウコギ
今回はエゾウコギの続きを書いていきます。
北海道の植物には、「エゾ」がつくものが多くあります。これは、昔、北海道を蝦夷地と読んだことから付いた名前です。
北海道 = 蝦夷地
エゾマツやエゾエンゴサク、エゾリンドウなど、名前の前に「エゾ」をつけます。
こちらに来て、間もない頃は、このエゾには随分と苦労しました。辞典で調べるにも「マツ」と「エゾマツ」で二重のチェックをしなければならないし、これに加えて、海外や本州の植物との対比となると、何冊もの植物辞典を開きながら調べなければなりません。
エゾウコギとは、蝦夷地に自生するウコギという意味で、日本以外では、ロシアのサハリンや中国北部にも分布しています。
薬効も多岐にわたり、万能の薬草としても知られています。化粧品原料としても、優れた特徴を持っていますので、今年は、北海道産のエゾウコギから薬用酒や化粧品を作ろうと思っています。
18年ほど前に、北海道東部に自生していたエゾウコギを掘り上げて、自宅近所の山に移植しました。
当時、四本の株を、車で札幌まで運びましたが、その内のニ本が根付き、今でも元気に育っています。
下草を刈ったり、日が当たるようにしたりと、良く世話をしましたので、このエゾウコギにすっかり情が移ってしまい、根を一度も掘り起こさないまま、18年の月日が経ってしまいました。
たまに、葉っぱを数枚いただき、お茶に混ぜたり、青汁にして飲んだりしています。笑
今年は、この株を新しい畑に移動する計画を立てておりまして、5月の連休くらいになるかと思います。
エゾウコギの有効成分の多くは、根にあるとされますが、一度掘り上げてしまうと、株自体が死んでしまいますので、最近では、地上部の幹の部位だけを刈り取り、そこから有効成分を抽出する方法が取られています。
この幹にも、根と同様の成分が含まれているので、この手法は資源保護のためにも良いかと思います。
エゾウコギの幹や枝には、細かい刺がたくさん生えているため、株を手で触るときには、皮製の手袋が必要です。普通の軍手では、全く役に立ちません。
細かいトゲですので、手に触ると、棘が皮膚の中で折れてしまい、これがかなり痛いです。
ハマナスにも同じようなトゲがありますので、移植や剪定などの作業をするときには、皮の手袋をします。
エゾウコギエキス
上の写真がアルコールでエキスを抽出している写真です。
エゾウコギ
和名: エゾウコギ( 蝦夷五加 )
科名 : ウコギ科
ラテン名 : Eleutherococcus senticosus
英名 : シベリアンジンセン Siberian Ginseng
エレウテロコッカス
生薬名 : 刺五加(しごか)、五加皮(ごかひ)
樹高 : 2〜3m
使用部位 : 根茎、幹、葉
有効成分 : エレウテロサイドB、エレウテロサイドB1、エレウテロサイドE 、イソフラキジン、クロロゲン酸
薬効は、滋養強壮、免疫力向上、更年期障害改善、疲労回復、自律神経の調整、精神安定、集中力向上、抗ストレス作用などがあるとされ、万能の薬草です。
特に神経系の疾患に良く効きますので、興味のある方は、写真のように漬け込んだものを、少しづつ飲まれると良いです。
エゾウコギエキス
この植物を初めて知ったのは、20年ほど前でした。その当時、北海道に自生しているエゾウコギを探して欲しいという依頼を受けて、北海道の山々を探した経緯があります。
エゾウコギは、元々、北海道の東部のみに自生していた植物ですので、札幌に根付くかどうか心配でしたが、元気に育っております。
移植が終わりましたら、また、報告いたします。ありがとうございました。
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