一昨日、札幌では春一番が吹きました。昨日まで数日間、雨が続きましたが、今日は久しぶりの快晴で風が心地よいです。
皆さんは、エゾウコギという名前を聞いたことがありますか。この野草は、北海道に自生している薬草でストレスや滋養強壮に良く効くとされます。
現代には、丁度良いハーブだと思いますので、今回は、この薬草を紹介していきいと思います。
これは、エゾウコギの新芽の写真です。
エゾウコギの果実
エゾウコギは、ウコギ科の植物で、葉は透き通るような清涼感のある香りを持ちます。このウコギ科の仲間には、ウドやタラの木、コシアブラなどの山菜や薬用ニンジンである朝鮮人参や高麗人参などがあります。
コシアブラ ウコギ科
このエゾウコギの株は18年ほど前に、北見(北海道の東部)の山中に自生していたものを掘り出し、近所の山へ勝手に植えたものです。笑
もともと札幌には自生していません。
当時、4本の苗を植え、翌年の春、二つの株から新しく芽が出ました。
この株とは長い付き合いで、気心が知れた仲ですので、なかなか根を掘り出すことも出来ず、ズルズルと月日が経ってしまいました。たまに数枚の葉をもらい青汁にして飲んでいます。
エゾウコギは、夏と冬の気温差が60℃以上の寒冷地に生息する植物で、日本では北海道の東部のみに自生しています。海外では、ロシアのサハリン、シベリアや中国の黒竜江省、吉林省などの極寒の地に自生します。
中国では「刺五加」、ロシアでは「エレウテロコック」と呼ばれます。生薬としての利用は、2000年以上の歴史があり、その薬効は、疲労回復から抗ストレス、免疫機能の強化と多岐に渡り、オリンピック選手や宇宙飛行士などのストレスの多いい方々にも利用されます。
オタネニンジンと薬効が似ていることから、シベリア人参の別名があります。
中国の古い文献には、貴重な薬草のため、馬車一杯の金とも交換しないという記述も残っています。
日本薬局方には、第十五改正(平成18年)から収載されました。
エゾウコギには、さまざまな成分が含まれますが、その中でもエレウテロシド(Eleutheroside)という有効成分が含まれます。このエレウテロロシドには、A,B,C,D,Eといくつかの種類があり、それぞれ効果が異なります。
エレウテロシドはホルモンの中枢である脳下垂体に作用し、β-エンドルフィの分泌を促進する作用があります。このβ-エンドルフィンは、脳内モルヒネとして知られ、免疫機能を強化したり、痛みを抑えたりする作用があるとされます。また、エレウテロシドは血流を促進することより、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を予防したり、疲労回復を促進する働きがあるとされます。
今回は、エゾウコギについて書いていて、こんなに効果があるのかと急に飲みたくなりました。会社の冷凍庫にエゾウコギの粉末がありましたので、今日から少しずつ飲んでみようかと思います。
ありがとうございました。
○エゾウコギ
和名:蝦夷五加
英名:シベリア人参(Siberian Ginseng)
学名:Eleutherococcus senticosus
科名:ウコギ科
生薬名: 刺五加(シゴカ)、五加皮(ゴカヒ)
使用部位:根皮
成分:エレウテロシド類、イソフラキシジン、ピノレジノール・ジグロコサイド、クロロゲン酸
効果:滋養強壮、抗ストレス作用、自律神経調整作用、更年期障害、免疫機能向上、抗アレルギー、持久力、運動能力向上。
*カフェインとの相互作用があり、珈琲などと一緒に飲むと血圧が上昇することがありますので、注意が必要です。
エゾヤマザクラ
0コメント