麹 アスペルギルス オリゼ ②

麹部屋が完成しましたら、次は米麹造りとなります。先ず、精米したお米をとぎ、水に浸けます。冬は水温が低いので、20~24時間ほど浸けてから1時間位かけて水をきります。

水切りあとの米


これを蒸し器で一時間ほど蒸します。

次に蒸し上った米を広げ40℃くらいになる迄冷まし、そこに麹菌をふりかけよく混ぜます。

麹菌をふりかけた後によく混ぜて、布で包み、麹部屋で保温しながら、約15~20時間発酵させます。

麹は白麹、黄色麹、黒麹、紅麹など多くの種類があり、用途によって使う菌が異なります。

日本酒、味噌、醤油は主に黄色麹が、焼酎は白麹菌と黒麹菌、泡盛は黒麹菌、沖縄の豆腐餻には紅麹菌が使われます。黄色麹菌と言ってもかなりの種類の黄色麹があります。

先日、訪問させていただいた九州の麹会社では、約200種類もの麹を保管・培養しており、用途に合わせて麹菌を出荷していました。この麹を家畜用の餌に混ぜると腸内環境が改善し病気が随分減ると言っておられました。

先月、東京でメタボロミクスのセミナーでも、腸内の菌や代謝産物を測定することで、その方の健康状態を予測するという話しをしていました。

これからの医療は、腸内環境の調節が主流になると思います。

糞便中にある酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸の量を測ると、健康な方は、短鎖脂肪酸の量が多く、慢性的な疾患を持つ方は、この量が少ない事が分かっています。

アレルギー症状ある子供たちの便中には、この量が少なく、この子たちに麹を食べさせると、短鎖脂肪酸の量が増えると同時に症状が改善に向かうようです。

では、酢などを飲んでこの量を増やせば良いと思われかも知れませんが、飲んだ場合、酢は大腸に届く前に吸収されてしまい、腸内環境の解決にはなりません。 

今、製薬会社が、これらの短脂肪酸を糖などに付けて腸まで届ける薬を製薬化しようとしていますが、ただ麹を少しづつ食べれば解決しますので、あまり複雑にする必要は無いかと思います。

メタボロミクス:

生体内における代謝産物を分析、解析する方法。

蒸し器

つづく

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