麹菌 最終回
Aspergillus oryzae アスペルギルス オリゼ
今回は、お米と麹菌から米麹を作りました。簡易の麹室を作り、米を蒸し麹菌で発酵させることで、誰でも簡易に米麹が作れます。
更に、この米麹からは、甘酒や味噌、漬物、塩麹などが作れますので、自分で米麹を作れるようにしておくと生活の幅が広がります。是非、チャレンジしてみて下さい。
米麹
何故、今回米麹を作ったのかと言うと、将来、米麹からジンやリキュールを作る計画を立てています。現状では、新しく日本酒の醸造免許を取るのは、ハードルがかなり高いので、先ずは雑酒や発泡酒、リキュールなどの比較的簡易な免許を取り、そこから原料となるアルコールが作れたらと思っています。
米麹から作ったお酒を蒸留して米焼酎とし、これに北海道で取れる薬草や果実を漬け込んで、ジンやリキュールなどのお酒を作りたいと思っています。来年は、春先から山に入り、これに合う山菜や薬草を採取し、安全性や味、香りのデータを取っていく予定です。
ウド
カタクリ
ヤチブキ
今年は試験的にラベンダーや柚子、ハマナスで蒸留酒を作りました。これらは、香りが高く飲む香水のようでした。
近い将来、北海道発、日本発のジンやリキュールが作れたらとら思っています。楽しみです。三年後くらいでしょうか。
青柚子を漬け込んだお酒
カビ毒 マイコトキシン
皆さんは、マイコトキシンとかアフラトキシンという言葉を聞いた事がありますか。
海外で、Aspergillusというと病気を引き起こす親玉のように思われていた時期がありました。
それもその筈で、麹菌Aspergillus oryzaeの近縁関係にあるAspergillus flavus は、地上最強の発ガン物質であるアフラトキシンを産出します。
最近では、海外でも麹菌が研究されるようになりましたので、その有用性が広く知られるようになりました。昔は、学会などでAspergillusと言うと、日本人はあの病原菌で何をしているんだと言われたものです。
遺伝子解析をしても、この二つの菌の間には遺伝子上は、差がほとんどありませんので、注意が必要です。
最後に、このアフラトキシンについて少し書いておきますので、参考にしてみて下さい。
カビ毒(マイコトキシン)
カビ毒(マイコトキシン mycotoxin)は食品もしくは飼料に繁殖したカビ類が産出する有毒代謝産物であり,このカビ毒がヒトまたは温血動物が摂取することにより引き起こされる疾病を真菌中毒症、またはカビ毒中毒症状と呼んでいます。
○マイコトキシン産出菌属
マイコトキシン産出カビとしてはペニシリウム属,アスペルギルス属,フザリウム属になどに属するものが多い。
○アフラトキシン
マイコトキシンとは真菌の産出する代謝産物(毒素)の総称で,アフラトキシンはその毒素の中の一つである。
アスペルギルス属のアフラトキシンの産出菌には,Aspergills.flavusやA.parasticus A. nomius,A.pseudotamarii,,A. bombycis, A. parvisclerotigenusなどがあり,それらの真菌が産出するアフラトキシンは10数種類が知られています。
この中でも食品に含有され問題となるのは,B1, B2, G1, G2, M1, M2の6種類です。アフラトキシンB1は地上最強の発ガン物質とされます。
※M1, M2はB1, B2の水酸化物
○特徴
① 原因食は米,麦,とうもろこし,ピーナッツ,牧草など炭水化物に富むものが多い。
② 洗っても除去できない。
③ 疾病は,ヒトや動物間で伝播しない。
④ 抗生物質による治療効果はない。
⑤ 一つの真菌が複数のマイコトキシンを産出する。
⑥ 水分含量が10~15%以上で繁殖する。乾燥で予防できる。
⑦ 障害を受ける器官、臓器は特定の器官に限定されない。
特にライ麦に出るカビには注意が必要です。
また、国内で販売される牛乳の95%からこのアフラトキシンが検出されたというデータがあります。牛乳中のアフラトキシン濃度が基準値以下ですので、大きな問題には至っていませんが、微量のアフラトキシンが検出されているようです。
これは輸入される穀物飼料の汚染が原因ですので、皆さんも輸入穀物やナッツ類などのカビには気をつけて下さい。
ありがとうございました。
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